昭和４６年０３月１０日　朝の御理解



　御理解　第７節
　「天地金乃神は昔からある神ぞ。途中からできた神でなし。天地ははやることなし。はやることもなければ終りもなし。天地日月の心になること肝要なり。信心はせぬでもおかげはやってある。」

　天地金乃神は昔からある神ぞ。途中から出来た神ではない。天地は流行ることもない。流行ることもなければ終りもない。此処のところはこの通りですね。この通りだと分らして頂く。その説明を天地日月の心になること肝要なりと言うところ。信心はせぬでもおかげはやってあると言う様なところ、焦点を置いてお話を進めて行きたい。　天地日月の心。天地ほど大きなものありますまい。天地ほど偉大なものは無い。そこで私共がやはり大きな信心をしなければならない。
　天地ほどの信心。天地が和賀心にある。和賀心の中に治まる程しのおかげ。心と言うものはたいしたもんですね。天地が自分の心の中に入って仕舞う程しの心。そこでそういう豊かな大きな心にならせて頂くことが肝要であると同時に、その天地の心、いわゆる天地の心と言う事はそのまま私共が天地金乃神様と申し上げる神様の心と言う事にもなるだろう。その神様の心を心として精進して行く。それをどういう風に精進して行くかというと、日月の心の様な心で精進して行く。
　日月の心といえば、日月ほど正確無比と申しましょうか、いわゆる教祖様が実意丁寧神信心と仰せられとりますが、その実意丁寧、日月ほど実意丁寧正確無比の働きを繰り返されているものはありますまい。ですからその日月の心になることも大事、いわば天地の心を心とする。天地の様な大きな心で、天地が和賀心の中に在る様にそういう豊かな大きな心を頂かせて貰う。そういう心で今度は小さい、大きく大きくそして小さく小さくと言う事になって來るでしょうね。
　天地の心は大きい。日月の心というのは実に小さいいわば神経を、心を使わせて頂いて、何処にお粗末があってはならない。何処に御無礼があってはならないという行き方。いわゆる良い加減な事をしない。横着をしない。我が侭をしない。そういう行き方。もうこの位のことは良かろうと言った様な考え方を捨てて行くという生き方。そういう生き方がです、言うなら水も漏らさぬ様な心と言う事になるのではないだろうか。
　本当に水も漏らさぬ程しのおかげというのは矢張り日月の心というか、実意丁寧神信心、いわゆる行き届いた、行き届いた信心をすること。こういう考え方は我が侭ではないだろうか、横着では無かろうかと言う様な心に本気で取り組ませて頂いて、もうこの位の事は良か良かと言った様な軽いことでそれを済ませて行くと言う様な事を精進させて頂く。天地の様な大きな心で、しかもそういう日月の様な正確な、言うなら実意丁寧な生活をさせて頂く、信心をさせて頂くことが肝要だと言う事。
　そこで私共は天地の心、神様の心。その神様の心を私共が分からせて貰う、まあ言うなら天地の法則とでも申しましょうかね、そういう例えば法則に従わせて頂こうという心。そういう生き方をしようという心。信心はせんでもおかげはやってある。信心をさせて頂けば尚さらの事神様はおかげを下さってあるはずである。これは私がまだ福岡で修行中の時分に矢張り月次祭四回、月次祭をさせて貰う、もうそれこそこれ程の逼迫はあるまいと云う様な逼迫した中でお祭りは仕える訳でございますから。
　お供え等でもそういうものが調えられる筈もないし、それこそ水づくし、魚づくしになる迄は離れられぬ吾が心じゃと言った様な、いうなら惨たんたるお祭りを仕えておった時分。それでもちゃんとお三宝数だけは六台、小さい八足はこれに一寸気のある位（お初穂受けを乗せてある台）の八足、小さいお三宝が三台づつ二段にこうしてお神酒錫の中もやはりお水。勿論水玉は水。畳一、二枚位のところに韮を家内が作っておりました、その韮が良う出来ました。
　度々その韮を切っては韮がお三宝一台、食料品屋から貰ってきた沢庵の腐った様なちょっとね、その良かとこだけを切ってお三宝に頂く。お魚はそれからまあいりこと言った様な時代。その時のお祭りのことを思いますと乾物はうみたけちゅうのがありますね、海茸のかびがいっぱい生えておる縄にこう吊してありますよね、吊し柿の様にそれがかびがいっぱい生えておるもんじゃから、賣れんから捨てた様に店の端の方に置いてある。それをそげなものはいらん。
　金はいらんから持って行って下さいといって、それを一つ一つ千切りまして綺麗に洗いましたらもう立派になりました。それを軽く日に干してそれをお三方一台。ところが大抵のものは頂きましたけど、この海茸の洗うたのだけは絶対食べられんですよ。　子供達がね、それこそ韮の塩煮でも甘いね、甘いねと頂きよりましたがね、この海茸の洗った奴だけはですね、食べませんでした。もうからからになっとるだけじゃなくて、もう洗うたら全然頂かれませんですね。味がないです。
　もうあれだけは洗ったら綺麗になりましたけれど、あの汚らしゅうしておるあそこに味があるのですね。やっぱ洗ったら綺麗だから全然味が無い。丁度セルロイド噛むのと同じ。子供でもあれだけは食べんと云いました。様な時代です。それでも矢張り一生懸命の思いでおやっぱり月次祭と云うと時間になると四、五人位お参りがありよりましたですね。そういう時代でしたが、その時にはお金が少し入りましてそれで色々お供え物神様御指図の通りに色々買わせて頂いた。
　大きくは無いけれどお魚は鰹の生きた様な鰹が一尾、小さい鯛でありますけど小さい鯛。それに一合あまりでありますけれども、特級酒の御神酒が御神酒錫の中に。あわびとか又はサザエなんかもね、三つなり生きたなり。それから蟹なんかもね。甲のものがお三宝一台ありお野菜も「といも」がお三宝に一台あった。そう言う様なまあいうならば珍しい賑やかなお祭が仕えられました。今日は御神酒もあるし、お下がりのお魚や貝もあるし今日の直会はおいしいお直会が頂けるぞと言った様な思いも束の間であった。
　お参りになった四、五人の方へ鰹は誰々さん、貝は誰々さんと言う風に皆下がって仕舞った。それから最後に唐いもが一台残りました。ところが一寸遅れてお参りになって来た方がありましたが、その唐芋まで最後に参って来た方に下がって仕舞った。その時に私が神様に、まあね、その時分に美味しいもの頂こうとか飲もうとかそういう様な思いは更にありませｎ時ですから、まあお魚が下がったり貝類が他の人に下がったりするのはまあ有難かったんですけど。
　唐芋まで下がって仕舞うところに下げろと言われた時だけはね、神様今晩は子供達にね、唐芋でもふかして与えられると思うておった。ですからこれはね、一つ二つでも良いから家に下げて頂く子供達に下げて頂きたいと思うてお願いさせて頂いた。そしたら神様がね、子供達には神が先におかげはやってある。だからここんところ信心はせんでもおかげはやってあると仰せられるが、信心をしておれば、それは信心がなくても頂いておる。おかげは下さってあるが、信心をしておれば取分けおかげは下さってある。
　そんな筈はないと思うけれどもね、そんな筈はないと思うけれども、神様からそう頂くものですからまあその三宝一台、その最後に参ってきた方に差し上げましたが、家内に今日は本当にまあ皆も何もかにも下さって仕舞った。最後の唐芋までと思いよったけど、唐芋も下がって仕舞った。そして神様は唐芋はもう先にやってあると、おかげはやってあると頂いたかと言うと、家内がああ本当に神様ちゃ今朝方から隣に居った人がですね子供達に大きな唐芋を一つづつそれもふかしてある奴をその子供達にやってある。
　成程神様はもうお供えをする前に、こと前に唐芋を下さってあった。知らぬこととは言いながら、知らぬ事とはいい乍ら、それにもう欲を付けておる。他のものならもう下げましたけど、せめて唐芋だけは子供達に下げてやって下さい、そんな願いをしておる。神様はもうおかげは先にやってあると仰せられる。聞いてみたら成程隣のおばさんから大きな唐芋を二つづつ貰うとる。おかげを頂いておってもそこが生身ですから、凡夫ですから分からん。分からんから頂いた上にまた下さいと言うておる様な事が。
　私どもの日常生活の中に沢山ありはせんだろうか。
　私共は只唐芋が欲しいばっかりに、その唐芋だけは私に下さいと願っとるけれども、もうその前に神様は下さってあるのだ。御礼を申し上げれば、御礼を申し上げなければならない事が沢山あるけれども気が付かんでおる。いわゆるそれは凡夫だから分からんと言えばそれ迄だけれども、一寸自分の心を信心の方へ向けて行くと、あれも頂いとるこれもおかげと分からせて頂くのである。それをそれこそ頂足らん様に思うて自分の困って居ることだけを、只下さい下さいと言っておる。
　おかげはこれ位の事じゃない、先にやってあるぞと神様から頂いて居る思いでです、あれもおかげである、これもおかげであるというおかげのところを分からせて頂く。言うならば木の切株に腰を下ろしても立つときには礼を言う様な心地になれよと、私は日月の心とはそう言う様な心だと思う行き届いた信心をさして貰う。同時に行き届いたおかげをおかげと分からせて貰うてそこに御礼を申し上げて行く心。
　日月の心とはその様な心だと思う。今日私は御神前で御祈念中に頂きました、私はゴルフと言う事を知りません。ルールも知りませんし、した事もないしした事もないというか一ぺんありますね。鳥栖のゴルフ場へ今東京へ嫁入っとります上野さんとこのスマ子さんが、あすこに勤めとる時分に一ぺん遊びに来て呉れ一ぺん遊びに来て呉れと言っとりましたので善導寺の久保山さんと一緒に行ったことがある。一時間ばかり、あれは何というのでしょうかね。
　ステッキを反対にした様な奴を持ってから小さいピンポン玉の様な奴をこう打って。ですから面白さも分からなければルールも分からないし、分かりませんがねあのゴルフをやっている所を御心眼に頂いた。ステッキを反対にした様な奴ですぐ側に小さな穴がありますね、その穴の中に入れる時でも実に小心に小心にそろっとこう打ち入れないと入らない訳ですね。その穴の中に入れる訳です。それかというと向こうの方へとつけもなく遠い所へする時にはそれこそ体全身をステッキの様なあれ振り回してからね、
　パーンと打つでしょう。よくテレビなんかで見るだけで自分がやった事がありませんのでどういう事か分かりませんけれども、そういう情景を頂いた。そういう情景を頂いてです、私しゃ今日の御理解七節の頂いたら、只今申します前半のところは置いて、天地日月の心になる事こそ肝要なりと、信心させて頂くものはその天地日月の心になることに一生懸命努めなければならん。金光様の御信心は、天地の心とは天地程大きな心はあるまい、偉大なものはあるまい。
　その天地には天地の道があり心がある。その心をいわゆる、神の心を心として私共はその神心を目指して信心をするね。そこで私共がですね、例えば人の難儀を見ても自分の事、他人の事と思われない、自分の事として人の難儀なことでも一心の真を捧げて祈らなければ居られない程しの心が育ってくる。誰も知らない、誰も知らないけれども一心の真を捧げてでもです、その人の事を願わなければ居られない心の状態が私しは神の心だと思う。しかも天地ほど大きなものはあるまい。
　最近合楽で、昨日は合楽願と言う様な言葉で頂きましたね。合楽の願いと言う事。自分の事には一生懸命になって願うけれども、それが自分の周囲のことであったり、いうなら私共が拝詞の中に奏上させて頂きます世界真の平和とか、世界総氏子の助かりとか、それがね本当に実感をもって願えれる心、私しは天地の心とは、そう言う事だと思いますね。　私はいうなら合楽の願いに合楽願という言葉は、そういう願いは立てておる、立てておるだけではいかん。皆さん一人一人の願いにならなければいけん。
　ところが実際は実感としては自分の事はどうぞと言って願うけれども、周囲の事をどうぞという実感で出て来ないところをです、神様に願わにゃいかんと思う。自分の心の狭さ、自分の心の貧しさを分からにゃいかん。他人の事も自分の事として願えれる心、社会のこともそうである。社会の清まりを願わせて貰う。社会の平和を願うとはそんな事だ。そういう稽古がです私はそういう稽古をしなけりゃいかんと思う。
　皆さんが住っておる町内なら町内、村なら村内の事を本気で願えれる私は私共にならなければいけないと思う。所が実感を持って願えないそこを願って行く。同時に私共がいよいよ神の心を心としてと、いわゆる神心を目指しての信心させて頂いて、心が段々神に向かって近づいて行く。そこからです自ずと願えてくるものも、それはいよいよ有難いのですけれども同時に私共が自分の願いの狭い事願のお粗末の事を気付かせて頂いてもっと豊かな有難い、もっと範囲の広い事が実感をもって願えれる。
　そういう願いがそういう信心が合楽の願いだと、その合楽の願いがそのまま同時に神様の願いでもあるから、そこんところの精進をして行かなけりゃならん。私はそのゴルフをしているすぐ側の小さいすぐ側のところに用心しながら入れておる、これは私は日月になる心だと今日頂いた。それこそ木の切株に腰を下ろしても礼を言う様な心持ち。如何にもおかげをまだまだ頂き足らん様に思うて、頂いておることはいわば氣が付かずに只自分が欲する心だけを神様に訴えておる。
　どうぞこの唐芋だけは子供達にやって下さいと言うて願っておる。神様はそれ前にもう子供達に渡してある。知らぬ事とはいい乍らそういう願いを私共がしている事はなかろうか。信心はせんでもおかげはやってあるという程ですから、信心をさせて頂いておれば私共の願いいや願い以上のおかげを自分の周囲にはそういう働きを頂いておる。その働きを気付かせて貰うて礼をいって行く信心。そこで御礼の足りないお詫びに、お詫びの足りないお詫びをまたさせて頂いかなければならんことが分かります。
　御礼を申し上げても御礼を申し上げてもまだ御礼がし尽くせることがない程しのおかげを受けておる。そのおかげを私は気付かせて貰うと御礼申し上げて行くというそういう信心を日月の心だと思う。いわゆる実意丁寧神信心、何処迄も行き届いた信心、そこには横着な心、我が侭な心なんかは出せない、いや出さんで済むおかげ、おかげを頂いていること、勿体ないという心起こるときにはです横着な心起こるもんじゃありません。有難いなあと木の切株にでもお礼を申し上げる様なときには。
　我が侭なんか出るものじゃありません。ゴルフのお知らせを頂いてからいわゆる大きく、それこそ体全体で小さい玉をあのステッキの様なもの、振り回してからやっておるこれが私は大きなと言う事はもうどこまでもある遠いところに向かってそれを打っておる訳ですから、そこんところを私は天地の心と大きな心、遠大なと申しましょうか、遠いところに小さな玉を投げ、転がして行く。それはもうもう体全身をもって満身の力を出さなければならないだろうと思う。
　だからこそゴルフは体に良い。大変健康のためになると言われるのはそれだからだと思う。そういういわば大きな大きな願い、同時にどの様な小さいことでも御礼をいい漏らしてはならないとする自制、姿勢、そういう信心姿勢を天地日月の心になること肝要だと。信心させて頂くものはそういう心掛けにならせて貰わなければならないと言う事だと思うんです。今日はそこんところに例えば焦点を置いて聞いて頂きました。皆さんもあの、ゴルフしている姿を一ぺん思い浮かべてね。
　すぐ側にあるものは、足元んところの穴には、それこそ用心に用心してからずーっとこうして入れるひとつの周到な心掛けというか、精進というか、かというて今度は又とつけもない遠いところへ玉を打つときのあの姿勢、それを天地の心といい、側に転がして入れる用心しなければ反対にとつけもないところへ行くことでは出来ませんのですから。それを今日は私は日月の心と云う風に聞いて頂きました。今日は本気でね、大きな願いをさした貰うそれはまた実感が無いかも知れません。
　世界の清まり、自分の周囲の人達の知っている人達の限りをひとつ心の中に思い浮かべてですね、気の毒な人があります、難儀な人があります、その人達のことを繰り返し繰り返し願ってご覧なさいませ。実感が出来ますから。自分の周辺にありましょうが、あの人達はほんに信心させたら良かろうばってん、と思う人がありましょうが。その人達のことを兎に角身近な方達のことでもよい、縁のある人達の事をです、私は願うと云う心がです之が天地の心。
　自分以外のことを広く大きな範囲で願って行く、同時に自分の心の中に実意丁寧神信心、日月のような正確さ、又は実意丁寧さをもって自分の周辺のことに処して行くだけではなくて、この様なときにも神様の働きを頂いておったんだと気付かせて頂いて、今迄御礼の申し上げられた事の無い様なことがない事柄の中にも御礼を申し上げて行く様な心、いわゆる信心はせんでもおかげはやったあるという程しのことですから。
　私共が信心さして頂いとる神様の働きは大きく、又は小さくお働きを頂いて居るに違いありませんのですから、そこんところを気付かせて頂いて、只自分の願うことだけを下さい下さいと言うのではなくて、下さいという前により頂いているもの御礼が行き届いているであろうかと、私はそこんところに行き届かせて頂いての信心をさして頂いてのいよいよ信心生活の尊さ有難さが分かって來ると思うんです。 
　　　どうぞ。